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「仕事が見つからない!生活費が底をつき無念の途中帰国…」/カナダ カルガリーのワーホリ体験記

ワーキングホリデーでカナダのカルガリーに半年間滞在していました。

当時30歳で、ワーキングホリデービザを取得できるギリギリの年齢でした。海外に長期滞在できる最後のチャンスだと思い、充実した海外生活にしようと意気込んでいました。

■「住みやすい都市」のカルガリーに期待大

ワーキングホリデーに行こうと思い始めた当初は、トロントへ行く予定でした。しかし、田舎育ちの私にはあまり大きな都会は合わないのではないかと思い、「世界で最も住みやすい都市」で上位にランクインしていたカルガリーを選びました。

私が滞在していた4月から10月の間は気候も良く、街をブラブラと散歩するだけでもリラックスして楽しめました。

午前中は語学学校へ通い、午後は就職活動といった生活スタイルでした。

 

■何とか面接まで漕ぎつけたものの、採用はされず

しかし、就職活動は予想していた通りには進みませんでした。

日本ではホテルのフロントとして働いていたので、小さなモーテルから大手のホテルまで、いくつものホテルに応募しました。

日常生活にはまったく困らない程度の英語力はありましたが、さすがにフロントとして働くのは難しいと思ったので、ベッドメイクの求人を中心に応募しました。

まず履歴書をメールまたはFAXで送るのですが、面接したいと連絡が来たのは、応募した1割ほどでした。それでも面接してくれるだけ有り難いと思い、張り切っていました。

ところが、どこのホテルでも面接の際に「そんなに痩せていては、力仕事のベッドメイクはできない」などと言われてしまうのです。ベッドメイクの技術には自信があり、たったひとりで短時間で仕上げることができると懸命にアピールしましたが、採用されることはありませんでした。

日本食レストランなどでも探してみましたが、数が少ないうえに求人も見当たりませんでした。直接レストランの人に尋ねても、募集はしていないと断られてばかりでした。

そうしているうちに、あっという間に数ヵ月が経過してしまい、生活費として用意していた50万円ほどの費用は底をつき始めました。もうそれ以上カナダに滞在することができないと判断し、滞在半年で日本への帰国を決断せざるを得ませんでした。

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■思いがけず舞い込んだ、短期の仕事の依頼

ところが、日本への帰国日まで3週間を切ったころ、ホストマザーの友人が経営していた雑貨店で、従業員のひとりが2週間休みを取ることになったので、その間だけ手伝いに来てくれないかと依頼があり、喜んで引き受けました。

仕事内容は簡単な接客と電話応対だけと言われましたが、実際は結構大変でした。日常英会話は問題ありませんでしたが、知らない商品についてお客さんから尋ねられたり、入荷や在庫について電話で問い合わせがあると、専門用語が理解できず、いつも困っていました。そのたびに他の従業員に対応を代わってもらわなくてはならず、自分の実力不足を思い知らされました。

そんな役に立たない私にも、従業員やお客さんたちはみんな優しく接してくれ、有意義な2週間を過ごせました。

短期間とはいえ「カナダで働く」経験ができたことは幸せでした。しかし「収入を得ながら長期滞在し、英語力もアップさせる」という当初の目標は達成できませんでした。

 

■重要なことに気付かされた、ある日本人男性の言葉

今になって当時を振り返ると、私は仕事を選びすぎていたのかもしれません。

日本への帰国を決めたあと、ある日本人男性と話をする機会がありました。彼は日本でサラリーマンをしていましたが、カナダに来てから寿司職人になったそうです。その男性から「どうせなら日本で経験したことのない仕事を探せばよかったのに」と言われ、ハッとさせられました。

当時の私は、言語の異なる海外で仕事をするためには、日本で経験したことのある仕事でないと務まらないと思い込んでいました。それに、「トロントやバンクーバーなどの大都市へ行っていれば、もっと仕事があったかもしれない」と、カルガリーを選んだことを後悔したこともありました。

でもそれは大きな間違いでした。

その日本人男性のように、柔軟な考え方と広い視野を持っていたら、もっと違った経験をしていたかもしれません。

 

■いざという時のためにも、費用は十分に用意しておくべき

現地で仕事を見つけるには、本人の努力や行動力はもちろんのこと、求人のタイミングなどの「運」も大きく影響すると思います。そんなとき、十分な生活費を用意しておけば、安心して生活することができます。

なかなか仕事が決まらなくても焦ることなく、私のように予定していた滞在期間を切り上げて帰国することもないでしょう。

「カナダに到着したらすぐに仕事を見つけ、働いて得たお金で生活すればいい」という私の考えは、やはり甘かったと反省しました。

ただ、良いことも悪いことも含めて、私の人生に必要な経験であったことは間違いありません。思い描いていた通りのワーキングホリデーではありませんでしたが、行って良かったと心から思っています。

 

(HN:きりん、留学時の年齢:30歳、性別:女性、滞在都市:カナダ・カルガリー、滞在期間:6カ月)