「TOEIC700点でも全然話せない…ホストファミリーとの会話で鍛えたスピーキング力」／バンクーバー語学留学体験記

もう１５年も前になりますが、２２歳の時にバンクーバーへ約10ヶ月語学留学していました。

大学生の時に英会話講師になるのが夢だった私は、英会話スクールに通いながら英語力アップに努めていました。当時の英語力は、TOEIC700点前後だったと思います。

講師になるためには実際に現地で生活し、文化や習慣などを肌で感じた経験が役立つだろうし、何より集中的に英語力を向上させたかったため、通っていた英会話スクールのバンクーバー校へ留学することにしました。

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■ホストファミリーとの会話で鍛えられたスピーキング

お世話になったホストファミリーは、チャイニーズハワイアンのお父さん、イギリス人のお母さん、そして７歳の男の子と２歳の女の子です。

アジア系と白人系のハーフである子供たちは、お人形さんのような可愛さ！お父さんはとても明るい方で、しかも料理上手。家事の大半をこなしておられたことに驚きました。

私が学校から帰ってくると、「今日はどんな一日だった？」「今から映画を見るから一緒にどう？」と、本当の家族の一員のように温かく接してくれました。

お母さんは子供たちのお世話で忙しそうでしたが、夕食時には一緒にワインを飲みながらよくお喋りしたものです。近所のスーパーで一緒に夕飯の買い物をしたり、恋愛話に花が咲いたりしたことも。

最初の頃は学校の授業についていくだけで精一杯でしたが、毎日ホストファミリーと何気ない会話をすることが、スピーキング力の向上に繋がったと思います。

■レベルの高い他の生徒…上級クラスで切磋琢磨

日本でも英会話スクールに通っており、そこそこ話せるレベルだった私が割り当てられたのは上級クラスでした。

日本の英会話スクールの海外校だったため、生徒も日本人が多かったのですが、大半が初級～中級クラスに在籍していたと思います。上級クラスは10人ほどで、日本人は私の他に一人だけ。他には韓国人、台湾人、コロンビア人、ベネズエラ人、フランス人がいました。

入ってみてびっくりしたのですが、彼らの英語力は相当なもので、「そこそこ」話せる程度では太刀打ちできませんでした。

特にディベート形式の授業だと、飛び交う発言の中、一人ポツンと取り残される状態です。「何か話さないと」と焦る一方で、授業はどんどん進みます。

当時の私の落ち込みようは相当でした。マシンガントークで喋る彼らに圧倒されたというのもありますが、彼らは自国の文化や歴史、政治をとても良く知っており、私にとってそういった話題を説明することはとても難しかったのです。改めて、自分の育った国についての無知さに気付かされました。

先生にレベルを下げてもらうようお願いしに行ったのですが、「知識の問題ではないよ。とにかく周りの話を聞いて、分からなければ質問をしてみることから始めなさい。」と励まされ、それを実践することにしました。「小さなことからコツコツと」というのは、本当に大事だなと実感しています。

質問をすることで少しずつ発言回数が増え、それに伴って自信もついていきました。お昼休みにクラスメートに積極的に話しかけたり、放課後のアクティビティに参加してみることも大事です。

留学生活の終わりの頃にはディベートで発言する頻度が圧倒的に増え、TOEICの点数も150点以上アップしました。

■充実した留学生活、帰国後は念願の英会話講師に

今でも当時のことはよく思い出します。

スタンレーパークで美しい景色を堪能しながらサイクリングをしたこと、グランビルアイランドの市場や雑貨屋さんでショッピングをしたこと、ダウンタウンのオープンカフェで友達と何時間もお喋りしたこと、ホストファザーのホッケーの試合を見に行ったこと、クリスマスの時期にはホストファミリーと近所の家のイルミネーションを見て回ったこと。数えだしたらキリがありません。

帰国する日にはホストファミリーが車で空港まで送ってくれました。そして空港には、クラスメートが見送りに来てくれました。充実感いっぱいで、「また会おうね！」と涙交じりの笑顔で飛行機に乗ったのをよく覚えています。

帰国後は、無事に大手英会話スクールの講師になることができました。

留学生活を成功させるには、とにかく積極的な姿勢を心がけることだと思います。落ち込むこともあるけれど、海外での生活は真新しいものばかり。

バンクーバーという美しい街で過ごした日々は、色褪せることなくずっと私の中に生きています。